もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
「わたし、いつもとっても嬉しかったんですよ、玲伊さんに髪を結んでもらって」と微笑む彼女が、なんだかとても眩しく見えた。
「優ちゃん、ありがとう」
「えっ?」
ただ礼だけ言って、本を持たずに店から出ていこうとする俺を、優紀はきょとんとして見つめ返していた。
「俺、美容師になりたい」
そう希望を伝えると、親は当然、反対した。
それでも俺はねばって説得しつづけた。
最終的に親のほうが根負けして、しぶしぶ了承した。
だが学費は一切出さないと言われた。
それでもやりたいのなら、勝手にしろ、と。
そこで俺は貯金を全部つぎ込んで株取引をはじめ、1年間で利益を上げ、学費を捻出。
その後、無事、専門学校を卒業し、国家試験にも合格することができた。
つまり、優紀は俺を美容師にしてくれた恩人だ。
それなのに……
去年、大人になって再会した優紀はまるで別人のようだった。
いつでもきらきらと輝いていた目はすっかり光を失ってどんよりしていて……
小学生のときも中学生のときも、俺の心をざわつかせた優紀はどこにもいなかった。
「優ちゃん、ありがとう」
「えっ?」
ただ礼だけ言って、本を持たずに店から出ていこうとする俺を、優紀はきょとんとして見つめ返していた。
「俺、美容師になりたい」
そう希望を伝えると、親は当然、反対した。
それでも俺はねばって説得しつづけた。
最終的に親のほうが根負けして、しぶしぶ了承した。
だが学費は一切出さないと言われた。
それでもやりたいのなら、勝手にしろ、と。
そこで俺は貯金を全部つぎ込んで株取引をはじめ、1年間で利益を上げ、学費を捻出。
その後、無事、専門学校を卒業し、国家試験にも合格することができた。
つまり、優紀は俺を美容師にしてくれた恩人だ。
それなのに……
去年、大人になって再会した優紀はまるで別人のようだった。
いつでもきらきらと輝いていた目はすっかり光を失ってどんよりしていて……
小学生のときも中学生のときも、俺の心をざわつかせた優紀はどこにもいなかった。