魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
【3章】補佐官のお仕事
19.朝
柔らかな朝日がまぶたをくすぐる。温かくふかふかの布団にくるまれながら、オティリエはそのあまりの気持ちよさに微笑んだ。
「おはようございます、オティリエ様」
優しい声音。ゆっくり目を開けると、侍女のカランの笑顔が飛び込んできた。
(夢かしら……?)
目覚めたことを嬉しく思う日が来るなんて。
朝が来るたびに『また目が覚めてしまった』と何度も何度も思ってきた。日の殆ど当たらない薄暗い部屋で、空腹に喘ぎながら涙を流した日々が嘘のようだ。
「さあ、朝の準備をしましょう。今日も忙しいのでしょう?」
「……ええ。お願いできる?」
泣きそうになるのをグッとこらえて、オティリエはゆっくりと身を起こす。それからカランと微笑みあった。
「疲れはきちんととれましたか?」
洗顔を済ませ、髪を整えながらカランが尋ねてくる。
「そうねぇ……ベッドの寝心地が最高だったし、仕事がとても楽しかったもの。あまり疲れてないと思うわ」
……そう返事をしたものの、鏡に映った自分の顔を見て、オティリエは思わず苦笑を浮かべてしまう。
「おはようございます、オティリエ様」
優しい声音。ゆっくり目を開けると、侍女のカランの笑顔が飛び込んできた。
(夢かしら……?)
目覚めたことを嬉しく思う日が来るなんて。
朝が来るたびに『また目が覚めてしまった』と何度も何度も思ってきた。日の殆ど当たらない薄暗い部屋で、空腹に喘ぎながら涙を流した日々が嘘のようだ。
「さあ、朝の準備をしましょう。今日も忙しいのでしょう?」
「……ええ。お願いできる?」
泣きそうになるのをグッとこらえて、オティリエはゆっくりと身を起こす。それからカランと微笑みあった。
「疲れはきちんととれましたか?」
洗顔を済ませ、髪を整えながらカランが尋ねてくる。
「そうねぇ……ベッドの寝心地が最高だったし、仕事がとても楽しかったもの。あまり疲れてないと思うわ」
……そう返事をしたものの、鏡に映った自分の顔を見て、オティリエは思わず苦笑を浮かべてしまう。