魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
(もしかして……)
「どう、オティリエ。勉強は進んでいる?」
と、背後から声をかけられる。
「ヴァーリック様」
「懐かしいなぁ。幼い頃、僕もこの歴史書で勉強をしたんだよね」
ヴァーリックはオティリエの手元を覗き込み、穏やかに目を細めた。
「あの、このメモはヴァーリック様が?」
「そうそう。僕はあまり物覚えがよくなくてね……こうして感じたことを書き込んだら歴史を自分事として捉えられるかなぁと思って、色々と書き込んでいたんだ。……ほら、ここ。絵を描いて状況を想像したりしてさ」
ペラペラとページをめくり、ヴァーリックはオティリエに微笑みかける。
(どうしよう。顔、すごく近い……)
少し動いただけで触れてしまいそうなほど。ヴァーリックの声がダイレクトに耳に響いてドキドキしてしまう。
「――ヴァーリック様、時間がおしております」
「わかってるよ。少しぐらい息抜きをさせてくれてもいいだろう?」
エアニーが苦言を呈す。ヴァーリックは困ったように笑いつつ、オティリエの頭をそっと撫でた。
「どう、オティリエ。勉強は進んでいる?」
と、背後から声をかけられる。
「ヴァーリック様」
「懐かしいなぁ。幼い頃、僕もこの歴史書で勉強をしたんだよね」
ヴァーリックはオティリエの手元を覗き込み、穏やかに目を細めた。
「あの、このメモはヴァーリック様が?」
「そうそう。僕はあまり物覚えがよくなくてね……こうして感じたことを書き込んだら歴史を自分事として捉えられるかなぁと思って、色々と書き込んでいたんだ。……ほら、ここ。絵を描いて状況を想像したりしてさ」
ペラペラとページをめくり、ヴァーリックはオティリエに微笑みかける。
(どうしよう。顔、すごく近い……)
少し動いただけで触れてしまいそうなほど。ヴァーリックの声がダイレクトに耳に響いてドキドキしてしまう。
「――ヴァーリック様、時間がおしております」
「わかってるよ。少しぐらい息抜きをさせてくれてもいいだろう?」
エアニーが苦言を呈す。ヴァーリックは困ったように笑いつつ、オティリエの頭をそっと撫でた。