魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
【なるほどね。こんな感じで聞こえるのか。……面白いな】
彼はそんなことを考えつつ、ニヤリと意地悪な笑みを浮かべた。
「おまえ、いいのか? そんなこと考えて。婚約者に言いつけるぞ? 大体、オティリエさんには聞こえているとわかっているくせに、そういうことを考えるのはいかがなものかと思うがな」
「なっ!」
ブラッドのセリフにもう一人の補佐官は顔を真っ赤に染め、キョロキョロと辺りを見回した。
「やめろよブラッド。俺の婚約者、本気でおっかないんだぞ。今ものすごいヒヤヒヤしたじゃないか」
「知ってるよ。……というか伝わってきた。おまえの心臓の音とか、胸がキュッとした感じとか、全部聞こえるんだな」
ケラケラと笑いながら、ブラッドはオティリエのほうをチラリと見る。彼女はコクリとうなずいた。
「いや頼むよ、本当。あいつって束縛半端ないし、ものすごい嫉妬するし。この間二人で夜会に参加したときなんて地獄だったんだ。少し他の令嬢と挨拶しただけでものすごい剣幕で睨みつけてきたんだから。当然、ダンスだって婚約者としかさせてもらえなかったし、あれじゃまともに社交ができないと思わないか?」
彼はそんなことを考えつつ、ニヤリと意地悪な笑みを浮かべた。
「おまえ、いいのか? そんなこと考えて。婚約者に言いつけるぞ? 大体、オティリエさんには聞こえているとわかっているくせに、そういうことを考えるのはいかがなものかと思うがな」
「なっ!」
ブラッドのセリフにもう一人の補佐官は顔を真っ赤に染め、キョロキョロと辺りを見回した。
「やめろよブラッド。俺の婚約者、本気でおっかないんだぞ。今ものすごいヒヤヒヤしたじゃないか」
「知ってるよ。……というか伝わってきた。おまえの心臓の音とか、胸がキュッとした感じとか、全部聞こえるんだな」
ケラケラと笑いながら、ブラッドはオティリエのほうをチラリと見る。彼女はコクリとうなずいた。
「いや頼むよ、本当。あいつって束縛半端ないし、ものすごい嫉妬するし。この間二人で夜会に参加したときなんて地獄だったんだ。少し他の令嬢と挨拶しただけでものすごい剣幕で睨みつけてきたんだから。当然、ダンスだって婚約者としかさせてもらえなかったし、あれじゃまともに社交ができないと思わないか?」