魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「あの、仕事の件というのは?」
ソファに腰かけるとすぐにオティリエが尋ねる。
「その前に」
ヴァーリックは改まった様子でオティリエを見つめた。
「ねえ……どうして手なんて握っていたの? さっきも言ったけれど、彼には他に婚約者がいるんだよ? まさか、好きだから、なんてことはないよね?」
真剣な声音。どこか余裕のなさそうなヴァーリックの表情に、オティリエは目を丸くする。
(好き? 私が彼を?)
まさかヴァーリックにそんな勘違いをされているとは思っていなかった。振り返ってみてもそんな雰囲気は皆無だったと思うし、どうして誤解をされたかがわからない。オティリエは首を横に振って否定した。
「それじゃあオティリエは、なんでもないのに男性の手を握っているの? 僕の知らないところで。……僕以外の男性と?」
ヴァーリックはそう言ってオティリエの手をギュッと握る。その途端、彼女の心臓がドキッと高鳴り、体がものすごく熱くなった。
(どうして? さっきブラッドさんたちの手を握ったときはなんとも思わなかったのに)
ドッドッドッドッとうるさく鳴り響く鼓動の音。どこか苦しげなヴァーリックの表情に、オティリエの胸がギュッとなる。
ソファに腰かけるとすぐにオティリエが尋ねる。
「その前に」
ヴァーリックは改まった様子でオティリエを見つめた。
「ねえ……どうして手なんて握っていたの? さっきも言ったけれど、彼には他に婚約者がいるんだよ? まさか、好きだから、なんてことはないよね?」
真剣な声音。どこか余裕のなさそうなヴァーリックの表情に、オティリエは目を丸くする。
(好き? 私が彼を?)
まさかヴァーリックにそんな勘違いをされているとは思っていなかった。振り返ってみてもそんな雰囲気は皆無だったと思うし、どうして誤解をされたかがわからない。オティリエは首を横に振って否定した。
「それじゃあオティリエは、なんでもないのに男性の手を握っているの? 僕の知らないところで。……僕以外の男性と?」
ヴァーリックはそう言ってオティリエの手をギュッと握る。その途端、彼女の心臓がドキッと高鳴り、体がものすごく熱くなった。
(どうして? さっきブラッドさんたちの手を握ったときはなんとも思わなかったのに)
ドッドッドッドッとうるさく鳴り響く鼓動の音。どこか苦しげなヴァーリックの表情に、オティリエの胸がギュッとなる。