魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「そんなことじゃないよ。僕にとっては超重要事項だ。他でもないオティリエのことだもの」
ヴァーリックはそう言ってふっと目を細めた。
「……アルドリッヒは生まれたばかりの君のことを心から可愛がっていた。絶対的記憶力を誇る彼が言うんだから間違いない。だけど、年々オティリエに対する興味が薄れていったみたいでね」
「それは……やはりお姉様の影響で?」
アルドリッヒが小さくうなずく。オティリエはそっと胸を押さえた。
「だけど、最初からそうだったわけじゃない。ちゃんと君のことを愛してくれていた人はいたんだよ。それがわかって僕はとても嬉しくてね」
ポンと頭を撫でられて、オティリエは思わず泣きそうになる。
「……それじゃあ私は、最初から嫌われていたわけじゃなかったんでしょうか? お父様も、使用人たちも、同じだって思っていい?」
ずっとずっと、そうだったらいいと思っていた。自分が冷遇されているのはイアマの魅了の能力によるもので、オティリエ自身が悪いわけじゃないんだと。そうであってほしいと願っていた。けれど、自信なんて持てなくて、こうして今日まで来てしまったが。
ヴァーリックはそう言ってふっと目を細めた。
「……アルドリッヒは生まれたばかりの君のことを心から可愛がっていた。絶対的記憶力を誇る彼が言うんだから間違いない。だけど、年々オティリエに対する興味が薄れていったみたいでね」
「それは……やはりお姉様の影響で?」
アルドリッヒが小さくうなずく。オティリエはそっと胸を押さえた。
「だけど、最初からそうだったわけじゃない。ちゃんと君のことを愛してくれていた人はいたんだよ。それがわかって僕はとても嬉しくてね」
ポンと頭を撫でられて、オティリエは思わず泣きそうになる。
「……それじゃあ私は、最初から嫌われていたわけじゃなかったんでしょうか? お父様も、使用人たちも、同じだって思っていい?」
ずっとずっと、そうだったらいいと思っていた。自分が冷遇されているのはイアマの魅了の能力によるもので、オティリエ自身が悪いわけじゃないんだと。そうであってほしいと願っていた。けれど、自信なんて持てなくて、こうして今日まで来てしまったが。