魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「これまですまなかったね、オティリエ」
それまで黙っていたアルドリッヒが口を開く。彼はおもむろにオティリエに近づくと、ギュッと彼女を抱きしめた。
「魅了の影響とはいえ、俺は君に酷いことをした。これまで辛かっただろう? ずっと気づかずにいてごめん。……ごめんな、オティリエ」
家族の誰かからこんなふうに抱きしめてもらった記憶はない。しかし、アルドリッヒの腕の温もりは心地よく、どこか懐かしい感じがする。
「お兄様……」
これから大事な仕事が控えているというのに目頭が熱い。アルドリッヒの服を汚してはいけないと思うのに、ポンポンと頭を撫でられては抗うことが難しい。
【よかったね、オティリエ】
と、ヴァーリックの声が聞こえてくる。あまりにも優しい笑顔。オティリエは涙をこぼしつつコクコクとうなずく。
「ありがとうございます、ヴァーリック様」
ヴァーリックはオティリエの返事を聞きながら、とても嬉しそうに笑った。
それまで黙っていたアルドリッヒが口を開く。彼はおもむろにオティリエに近づくと、ギュッと彼女を抱きしめた。
「魅了の影響とはいえ、俺は君に酷いことをした。これまで辛かっただろう? ずっと気づかずにいてごめん。……ごめんな、オティリエ」
家族の誰かからこんなふうに抱きしめてもらった記憶はない。しかし、アルドリッヒの腕の温もりは心地よく、どこか懐かしい感じがする。
「お兄様……」
これから大事な仕事が控えているというのに目頭が熱い。アルドリッヒの服を汚してはいけないと思うのに、ポンポンと頭を撫でられては抗うことが難しい。
【よかったね、オティリエ】
と、ヴァーリックの声が聞こえてくる。あまりにも優しい笑顔。オティリエは涙をこぼしつつコクコクとうなずく。
「ありがとうございます、ヴァーリック様」
ヴァーリックはオティリエの返事を聞きながら、とても嬉しそうに笑った。