魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
***
概況説明を終えたあと、オティリエたちはヴァーリックのために準備された控室へと移動をした。部屋に通されたのはエアニーたち補佐官とアルドリッヒを含めた数名の文官たちだけ。彼らはいちように、少し困惑したような表情を浮かべていた。
「ヴァーリック様、一体どういうことでしょう? どうしてあのような……」
「オティリエが神官長の心の声を聞いたんだ。謀反を企んでいる、ってね」
室内にざわりと動揺が走る。ヴァーリックは視線で彼らを黙らせたのち、ふぅと静かに息をついた。
「そのことを知らせてもらったあと、僕も一緒に神官長の心の声を聞いた。『謀反』の二文字は聞こえなかったけれど、彼に後ろ暗いことがあるのは間違いない」
「だからあのような質問を……」
エアニーがつぶやく。状況がわかったことで、いろんなことに合点がいったようだ。
「僕はこれから神殿が謀反を企てているものと断定して調査を進めていきたい。アルドリッヒ、神官から提出された資料――特に修繕契約の内容を確認、記憶し、あとから書き写して提出してほしい」
「承知しました」
概況説明を終えたあと、オティリエたちはヴァーリックのために準備された控室へと移動をした。部屋に通されたのはエアニーたち補佐官とアルドリッヒを含めた数名の文官たちだけ。彼らはいちように、少し困惑したような表情を浮かべていた。
「ヴァーリック様、一体どういうことでしょう? どうしてあのような……」
「オティリエが神官長の心の声を聞いたんだ。謀反を企んでいる、ってね」
室内にざわりと動揺が走る。ヴァーリックは視線で彼らを黙らせたのち、ふぅと静かに息をついた。
「そのことを知らせてもらったあと、僕も一緒に神官長の心の声を聞いた。『謀反』の二文字は聞こえなかったけれど、彼に後ろ暗いことがあるのは間違いない」
「だからあのような質問を……」
エアニーがつぶやく。状況がわかったことで、いろんなことに合点がいったようだ。
「僕はこれから神殿が謀反を企てているものと断定して調査を進めていきたい。アルドリッヒ、神官から提出された資料――特に修繕契約の内容を確認、記憶し、あとから書き写して提出してほしい」
「承知しました」