魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「ヴァーリック様! 私、水晶がほしいんです!」
「え、水晶?」
「はい、できるだけたくさん! どうすれば手に入れられますか?」
オティリエの言葉にヴァーリックは大きく目を見開く。どうやら彼にはオティリエが考えていることがわかったらしい。
「そうか……君の能力を水晶に込めれば調査を効率的に進められる。オティリエ以外の人間にも神官たちの心の声が聞けるから、普通よりも多くの情報を引き出すことができる。彼らの嘘を見破ることだってできる!」
興奮した面持ちでヴァーリックがオティリエの手を握る。オティリエは大きくうなずいた。
「ヴァーリック様、私、少しでも国の――あなたのお役に立ちたいんです! どうか私を使ってください!」
「オティリエ……わかった。水晶なら城に備蓄がある。すぐに準備をさせるよ」
ヴァーリックが微笑む。数分後、オティリエの目の前に透明な水晶が積み上げられていた。
「まずは水晶を手にとって。他人に能力を分け与えるのと同じ要領で自分の能力を水晶に集めるんだ」
「はい、ヴァーリック様」
両手で水晶を握って力を込めると、水晶はゆっくりと薄紫色へ変化していく。身体からじわじわとエネルギーを吸い取られていく感覚だ。オティリエの額に汗が滲む。やがて全体が薄紫色へと染まり、オティリエは小さく息をついた。
「え、水晶?」
「はい、できるだけたくさん! どうすれば手に入れられますか?」
オティリエの言葉にヴァーリックは大きく目を見開く。どうやら彼にはオティリエが考えていることがわかったらしい。
「そうか……君の能力を水晶に込めれば調査を効率的に進められる。オティリエ以外の人間にも神官たちの心の声が聞けるから、普通よりも多くの情報を引き出すことができる。彼らの嘘を見破ることだってできる!」
興奮した面持ちでヴァーリックがオティリエの手を握る。オティリエは大きくうなずいた。
「ヴァーリック様、私、少しでも国の――あなたのお役に立ちたいんです! どうか私を使ってください!」
「オティリエ……わかった。水晶なら城に備蓄がある。すぐに準備をさせるよ」
ヴァーリックが微笑む。数分後、オティリエの目の前に透明な水晶が積み上げられていた。
「まずは水晶を手にとって。他人に能力を分け与えるのと同じ要領で自分の能力を水晶に集めるんだ」
「はい、ヴァーリック様」
両手で水晶を握って力を込めると、水晶はゆっくりと薄紫色へ変化していく。身体からじわじわとエネルギーを吸い取られていく感覚だ。オティリエの額に汗が滲む。やがて全体が薄紫色へと染まり、オティリエは小さく息をついた。