魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「神殿のほうの調査はこのままの規模で継続させるべきだな。あちらの意識を神殿の調査に集中させて、ブランドン男爵家の調査を目立たなくしておきたい。オティリエさんのヴァーリック様に対する影響力も低く見積もってもらっておいたほうが都合がいいし」
「とすれば、ブランドン男爵家関係の調査は僕たち補佐官だけで行ったほうがいい。ジェイミーの他にも城内に協力者が紛れ込んでいる可能性があるし、情報統制がしやすい。もちろん、怪しまれないように通常の仕事をこなしながらということになるけど……」
「やりましょう」
オティリエが補佐官たちを見つめる。彼らはふと目元を和らげ、コクリと大きくうなずいた。
***
それからひと月後のこと。リンドヴルム王国と隣国との堺にあるゲイリィズ領、領主である辺境伯は王太子ヴァーリックと対峙していた。
【なぜだ……? どうして王太子がこんな辺境に?】
彼は辺境伯を見つめつつ、ニコニコと朗らかにほほえんでいる。
「とすれば、ブランドン男爵家関係の調査は僕たち補佐官だけで行ったほうがいい。ジェイミーの他にも城内に協力者が紛れ込んでいる可能性があるし、情報統制がしやすい。もちろん、怪しまれないように通常の仕事をこなしながらということになるけど……」
「やりましょう」
オティリエが補佐官たちを見つめる。彼らはふと目元を和らげ、コクリと大きくうなずいた。
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それからひと月後のこと。リンドヴルム王国と隣国との堺にあるゲイリィズ領、領主である辺境伯は王太子ヴァーリックと対峙していた。
【なぜだ……? どうして王太子がこんな辺境に?】
彼は辺境伯を見つめつつ、ニコニコと朗らかにほほえんでいる。