魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「実は、オティリエには明日から母上の手伝いに行ってほしいんだ」
「王妃殿下のお手伝い、ですか?」
思わぬことに目を丸くすると、ヴァーリックはコクリとうなずいた。
「せっかくの社交シーズンだからね……若い令嬢たちをたくさん集めてお茶会を開きたいそうなんだ」
「なるほど……承知しました」
そう返事をしつつ、オティリエはひそかに首を傾げる。
(お手伝いするのは構わないけれど……王妃殿下にはすでに優秀な文官や侍女がたくさんついているわよね? 私が行く意味はあるのかしら? 人手が足りないという話も聞かないし)
オティリエの疑問を感じ取ったのだろう。ヴァーリックは苦笑を漏らしつつそっと身を乗り出した。
「母上いわく『若い人の感覚は若い人に聞くのが一番』なんだって。母上の周りには僕たちぐらいの年齢の人はいないからね」
「あ……そういうことでしたか。だけど、だったらなおさら、お手伝いするのは私でいいのでしょうか? 私は流行に疎いですし、あまりお役に立てないかもしれません」
補佐官として働きはじめるまでは私室にこもって生活をしていたオティリエだ。今だってドレスや髪型は侍女のカランにコーディネートしてもらっているし、普通の令嬢と感覚が近いとは思えない。もっと適任者がいるのではないだろうか? オティリエは尻込みしてしまう。
「王妃殿下のお手伝い、ですか?」
思わぬことに目を丸くすると、ヴァーリックはコクリとうなずいた。
「せっかくの社交シーズンだからね……若い令嬢たちをたくさん集めてお茶会を開きたいそうなんだ」
「なるほど……承知しました」
そう返事をしつつ、オティリエはひそかに首を傾げる。
(お手伝いするのは構わないけれど……王妃殿下にはすでに優秀な文官や侍女がたくさんついているわよね? 私が行く意味はあるのかしら? 人手が足りないという話も聞かないし)
オティリエの疑問を感じ取ったのだろう。ヴァーリックは苦笑を漏らしつつそっと身を乗り出した。
「母上いわく『若い人の感覚は若い人に聞くのが一番』なんだって。母上の周りには僕たちぐらいの年齢の人はいないからね」
「あ……そういうことでしたか。だけど、だったらなおさら、お手伝いするのは私でいいのでしょうか? 私は流行に疎いですし、あまりお役に立てないかもしれません」
補佐官として働きはじめるまでは私室にこもって生活をしていたオティリエだ。今だってドレスや髪型は侍女のカランにコーディネートしてもらっているし、普通の令嬢と感覚が近いとは思えない。もっと適任者がいるのではないだろうか? オティリエは尻込みしてしまう。