魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「実は、今回のお茶会はヴァーリック様のために開かれるんですよ」
と、かたわらに控えていたエアニーが口を開く。
「え? ヴァーリック様の?」
オティリエが尋ねれば、ヴァーリックはほんのりと視線をそらしながらうなずいた。
「……うん。そろそろ婚約者を決めなければならないからね」
「あっ……」
色々あって忘れていたが、もうすぐヴァーリックは十八歳になる。今すぐ婚約者を決めなければならないわけではないものの、せめて候補者を絞るべき時期だ。
つまり、今回のお茶会は年頃の令嬢たちを集め、王妃とヴァーリックのお眼鏡に叶う女性を見つけることが最大の目的なのだろう。
「王妃殿下にすべてをお任せするわけには参りません。ですから、ヴァーリック様の補佐官であり、若い女性であるオティリエさんにお願いするのが一番だという話になったのです」
「そうなのですね……」
返事をしながらオティリエはヴァーリックをそっと見つめる。
(ヴァーリック様の婚約者か……ついに候補者選びが本格化するのね)
この三カ月間目を背けてきた現実。オティリエの胸がチクリと痛む。
と、かたわらに控えていたエアニーが口を開く。
「え? ヴァーリック様の?」
オティリエが尋ねれば、ヴァーリックはほんのりと視線をそらしながらうなずいた。
「……うん。そろそろ婚約者を決めなければならないからね」
「あっ……」
色々あって忘れていたが、もうすぐヴァーリックは十八歳になる。今すぐ婚約者を決めなければならないわけではないものの、せめて候補者を絞るべき時期だ。
つまり、今回のお茶会は年頃の令嬢たちを集め、王妃とヴァーリックのお眼鏡に叶う女性を見つけることが最大の目的なのだろう。
「王妃殿下にすべてをお任せするわけには参りません。ですから、ヴァーリック様の補佐官であり、若い女性であるオティリエさんにお願いするのが一番だという話になったのです」
「そうなのですね……」
返事をしながらオティリエはヴァーリックをそっと見つめる。
(ヴァーリック様の婚約者か……ついに候補者選びが本格化するのね)
この三カ月間目を背けてきた現実。オティリエの胸がチクリと痛む。