魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「早速だけど、あなたに頼みたい仕事の説明をさせてもらうわね」
王妃に促され、オティリエは応接用のソファに腰掛ける。と同時にテーブルに二人分のお茶と茶菓子が運ばれてきて、王妃はふふっと瞳を細めた。
「若い令嬢を集めてお茶会を開きたいの。オティリエには補佐官としてその手伝いをお願いしたいわ。ヴァーリックから今回のお茶会の趣旨は聞いている?」
「はい。ヴァーリック様の婚約者を選ぶため、なのですよね」
返事をしながらズキンとオティリエの胸が小さく痛む。
(ああ……! ダメね、私ったら。そんなふうに思っちゃいけないってわかっているのに)
どうして何度も何度も同じことに傷ついてしまうのだろう? 自責の念に駆られながら、オティリエは必死に笑顔を取り繕った。
「そうなの。正直私はそんなもの開かなくてもいいと思うのだけど……ほら、いきなり婚約者を発表したら『うちの娘に会いもせず勝手に婚約者を決めてしまったのか』ってあとで文句を言う貴族が絶対に出てしまうでしょう? だから、少なくとも言い訳ができる状態を作っておきたいのよね」
王妃に促され、オティリエは応接用のソファに腰掛ける。と同時にテーブルに二人分のお茶と茶菓子が運ばれてきて、王妃はふふっと瞳を細めた。
「若い令嬢を集めてお茶会を開きたいの。オティリエには補佐官としてその手伝いをお願いしたいわ。ヴァーリックから今回のお茶会の趣旨は聞いている?」
「はい。ヴァーリック様の婚約者を選ぶため、なのですよね」
返事をしながらズキンとオティリエの胸が小さく痛む。
(ああ……! ダメね、私ったら。そんなふうに思っちゃいけないってわかっているのに)
どうして何度も何度も同じことに傷ついてしまうのだろう? 自責の念に駆られながら、オティリエは必死に笑顔を取り繕った。
「そうなの。正直私はそんなもの開かなくてもいいと思うのだけど……ほら、いきなり婚約者を発表したら『うちの娘に会いもせず勝手に婚約者を決めてしまったのか』ってあとで文句を言う貴族が絶対に出てしまうでしょう? だから、少なくとも言い訳ができる状態を作っておきたいのよね」