魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「言い訳、ですか……?」

「そうよ? 令嬢たちからしてみても、土俵にすら上がれないんじゃあんまりだものね。まあ、みんながみんな王太子妃になりたいと希望しているわけではないと思うけど、これは私にとってもいい機会だから」


 王妃はそう言ってチラリとオティリエの表情をうかがう。オティリエはドギマギしつつ、さり気なく視線をそらしてしまった。


「そういうわけだから、まずはお茶会に参加してもらう令嬢のリストアップをお願いしたいの。対象者は……そうね、十四歳から十八歳ぐらいまでの高位貴族令嬢がいいわ。だけど、これまでに問題を起こした子は除外してね? たとえば……あなたのお姉様とか」

「……!」


 茶目っ気たっぷりに王妃がほほえむ。


(よかった……それじゃあお姉様は、ヴァーリック様のお相手に選ばれることはないのね)


 メモをとり「承知しました」と答えながら、オティリエは大きくうなずいた。


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