魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
47.会いたかった
王妃の下で仕事をはじめてからあっという間に数日が過ぎた。
(ふぅ……なかなかに疲れるわね)
招待客のリストアップは完了し、オティリエは今ひたすら招待状を書いている。文面は決まっているものの、丁寧かつ美しい文字を書かねばならないし、一文字でも間違ったらその時点で書き直し。必要な枚数は何十枚にも及ぶため、結構疲れてしまうのだ。
(ヴァーリック様……元気にしているかしら?)
こんなに長い間顔を合わせていないのは補佐官に採用されてからはじめてのこと。ヴァーリックの声が、笑顔が、存在が、恋しくなってしまう。
(なんて、そんなふうに思っているのは私だけよね)
ふふっと自虐的に笑いつつ、オティリエはグッと背伸びをした。
王妃の手伝いは身体的・精神的な負担が少ないうえ、定時であがるように指導を受けている。このため、王妃の手伝いを終えたあと、ヴァーリックの補佐官としての仕事をすることだって本当は可能だった。
けれど、オティリエがそんな提案をしたら他の補佐官に――ヴァーリックに気を使わせてしまうだろう。そう思うと、執務室に行くこと自体がはばかられるのだ。
(ふぅ……なかなかに疲れるわね)
招待客のリストアップは完了し、オティリエは今ひたすら招待状を書いている。文面は決まっているものの、丁寧かつ美しい文字を書かねばならないし、一文字でも間違ったらその時点で書き直し。必要な枚数は何十枚にも及ぶため、結構疲れてしまうのだ。
(ヴァーリック様……元気にしているかしら?)
こんなに長い間顔を合わせていないのは補佐官に採用されてからはじめてのこと。ヴァーリックの声が、笑顔が、存在が、恋しくなってしまう。
(なんて、そんなふうに思っているのは私だけよね)
ふふっと自虐的に笑いつつ、オティリエはグッと背伸びをした。
王妃の手伝いは身体的・精神的な負担が少ないうえ、定時であがるように指導を受けている。このため、王妃の手伝いを終えたあと、ヴァーリックの補佐官としての仕事をすることだって本当は可能だった。
けれど、オティリエがそんな提案をしたら他の補佐官に――ヴァーリックに気を使わせてしまうだろう。そう思うと、執務室に行くこと自体がはばかられるのだ。