魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
会場に到着するとオティリエはぐるりと周囲を見回してみる。
(……うん、ちゃんと段取りどおりに整っているわね)
テーブルのセッティングやお料理、デザート、飾り付けなどなど、王妃との打ち合わせどおりに手配がされていることを確認し、オティリエはふぅと息をついた。
「オティリエ」
と、ちょうど会場入りした王妃から声をかけられる。開始時間にはまだ少し余裕があるため招待客はまばらだ。それでも、早くから会場入りしている令嬢たちがチラリとこちらを見たことに気づいてしまう。
【誰、あの子?】
【妃殿下から直接声をかけられているわ……ズルい。わたくしもお近づきになりたいのに】
ついで聞こえてくる心の声にオティリエの胃がキリキリと痛む。
(いけない。こんな顔をしていては妃殿下に気をつかわせてしまうわ)
オティリエはニコニコとほほえみつつ、王妃に向かって挨拶をした。
「妃殿下、あの……」
「来てくれて嬉しいわ」
王妃はそう言ってオティリエの手をギュッと握る。
「え? えぇと……」
(私は妃殿下に招待いただいたわけじゃないのに……)
王妃がオティリエが招待されていると知っていたことには安心したものの、なんだか申し訳ない気分になってしまう。
(……うん、ちゃんと段取りどおりに整っているわね)
テーブルのセッティングやお料理、デザート、飾り付けなどなど、王妃との打ち合わせどおりに手配がされていることを確認し、オティリエはふぅと息をついた。
「オティリエ」
と、ちょうど会場入りした王妃から声をかけられる。開始時間にはまだ少し余裕があるため招待客はまばらだ。それでも、早くから会場入りしている令嬢たちがチラリとこちらを見たことに気づいてしまう。
【誰、あの子?】
【妃殿下から直接声をかけられているわ……ズルい。わたくしもお近づきになりたいのに】
ついで聞こえてくる心の声にオティリエの胃がキリキリと痛む。
(いけない。こんな顔をしていては妃殿下に気をつかわせてしまうわ)
オティリエはニコニコとほほえみつつ、王妃に向かって挨拶をした。
「妃殿下、あの……」
「来てくれて嬉しいわ」
王妃はそう言ってオティリエの手をギュッと握る。
「え? えぇと……」
(私は妃殿下に招待いただいたわけじゃないのに……)
王妃がオティリエが招待されていると知っていたことには安心したものの、なんだか申し訳ない気分になってしまう。