魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「だから、どうかオティリエに問わせてほしい。僕の妻になってくれないだろうか?」
風がざわめく。ヴァーリックの熱い眼差しに心と身体が熱くなる。
これ以上ないほどまっすぐ、ハッキリと求婚されたのだ。勘違いのしようがない。心の声なんて聞こえなくても、ヴァーリックの想いは明白だった。
(私……私はどうすればいいの?)
普通に考えれば王族から……しかも王太子から求婚されて断ることは難しい。けれど、現状はヴァーリックの気持ちを受け入れられていないし、妃になる覚悟だってできていない。それに、命令ではないのだから『断る』という選択肢だってゼロではないはずだ。
「……返事は急がないから。しっかりと考えて、オティリエ自身でこたえをだしてほしい」
オティリエの困惑を感じ取ったのだろう。ヴァーリックはそう言って穏やかにほほえむ。いいのだろうか? ……そう思えども、すぐに結論は出せそうにない。
「……はい」
ありがとうございます、と返事をして、その日のお茶会は今度こそお開きとなった。
風がざわめく。ヴァーリックの熱い眼差しに心と身体が熱くなる。
これ以上ないほどまっすぐ、ハッキリと求婚されたのだ。勘違いのしようがない。心の声なんて聞こえなくても、ヴァーリックの想いは明白だった。
(私……私はどうすればいいの?)
普通に考えれば王族から……しかも王太子から求婚されて断ることは難しい。けれど、現状はヴァーリックの気持ちを受け入れられていないし、妃になる覚悟だってできていない。それに、命令ではないのだから『断る』という選択肢だってゼロではないはずだ。
「……返事は急がないから。しっかりと考えて、オティリエ自身でこたえをだしてほしい」
オティリエの困惑を感じ取ったのだろう。ヴァーリックはそう言って穏やかにほほえむ。いいのだろうか? ……そう思えども、すぐに結論は出せそうにない。
「……はい」
ありがとうございます、と返事をして、その日のお茶会は今度こそお開きとなった。