魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「ごめんごめん。内容が内容だから直接尋ねるのははばかられて。ついつい心のなかでいろいろと……ね」


 そんなことを言いながら、補佐官たちはあまり悪びれる様子はない。オティリエは小さく息をついた。


「というか、どうしてその……ご存知なんですか?」


 求婚を受けた、とハッキリ言葉にするのは気が引ける。オティリエは頬を染めつつ、そっと補佐官たちを見る。


「そりゃあ、ヴァーリック様の気持ちは見ていたらすぐにわかったし」

「お茶会の話が出て、妃殿下のところにオティリエさんを送り込んだタイミングで『ああ、ヴァーリック様のなかで妃はオティリエさんで決まりなんだなぁ』って思ってました。お茶会用のドレスを贈ったり、招待状をオティリエさんの分だけご自身で書いたり……健気でしたよね」

「僕たちの心の声からヴァーリック様の想いや求婚についてオティリエさんにバレないよう、結構気をつかってたんですよ?」


 補佐官たちの言葉にオティリエの頬がさらに赤くなる。


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