魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
***
(緊張するな……)
夜会会場の近くに用意された控室。オティリエは鏡に写った自分と向き合っていた。
身につけているドレスは今夜のためにヴァーリックから贈られたもの。胸には母親の形見のブローチ。彼の瞳の色に合わせて用意したアメジストとエメラルドのイヤリングが照れくさく、なんだかドキドキしてしまう。
(私、本当にヴァーリック様と婚約するんだ……)
彼とはじめて会ってから約一年。あのときはまさか自分がヴァーリックの結婚相手に選ばれるなんて思っていなかった。……正直、未だに信じられない気持ちでいっぱいだ。毎朝目が覚めるたびに『これまでの日々は夢だったのではないか』と確かめてしまう。
「オティリエ」
とそのとき、ヴァーリックが控室にやってきた。真新しい夜会服に身を包んだ彼はとても凛々しく、オティリエは思わず見惚れてしまう。
「準備はできた?」
そう尋ねつつ、ヴァーリックは少しだけ緊張した面持ちだ。自分だけではないのだとオティリエはなんだか安心してしまう。
(緊張するな……)
夜会会場の近くに用意された控室。オティリエは鏡に写った自分と向き合っていた。
身につけているドレスは今夜のためにヴァーリックから贈られたもの。胸には母親の形見のブローチ。彼の瞳の色に合わせて用意したアメジストとエメラルドのイヤリングが照れくさく、なんだかドキドキしてしまう。
(私、本当にヴァーリック様と婚約するんだ……)
彼とはじめて会ってから約一年。あのときはまさか自分がヴァーリックの結婚相手に選ばれるなんて思っていなかった。……正直、未だに信じられない気持ちでいっぱいだ。毎朝目が覚めるたびに『これまでの日々は夢だったのではないか』と確かめてしまう。
「オティリエ」
とそのとき、ヴァーリックが控室にやってきた。真新しい夜会服に身を包んだ彼はとても凛々しく、オティリエは思わず見惚れてしまう。
「準備はできた?」
そう尋ねつつ、ヴァーリックは少しだけ緊張した面持ちだ。自分だけではないのだとオティリエはなんだか安心してしまう。