魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「……どうでしょう? どこかおかしなところはありませんか?」
オティリエの質問にヴァーリックはふっと目元を和らげる。それから彼女のことをギュッと強く抱きしめた。
「ない。……ものすごく可愛い」
本当に、可愛いとささやきながら、ヴァーリックはオティリエの額に口付ける。胸が、身体がたまらなく甘い。オティリエは頬が真っ赤に染まった。
「そろそろ行こうか」
ヴァーリックがオティリエに手を差し出す。オティリエが「ええ」とほほえんだときだった。
「行かせないわよ、オティリエ」
控室の扉が開くとともに、冷たい声音がオティリエを刺す。その途端、全身の毛がぶわりとよだち、身体がカタカタと震えだした。
(この声、まさか……)
恐怖のあまりオティリエは顔を上げることができない。しかし、扉の側にヴァーリックの護衛たちが倒れているのが見える。
「イアマ嬢……一体どうやってここに?」
ヴァーリックが言う。オティリエはゴクリと息を呑んだ。
オティリエの質問にヴァーリックはふっと目元を和らげる。それから彼女のことをギュッと強く抱きしめた。
「ない。……ものすごく可愛い」
本当に、可愛いとささやきながら、ヴァーリックはオティリエの額に口付ける。胸が、身体がたまらなく甘い。オティリエは頬が真っ赤に染まった。
「そろそろ行こうか」
ヴァーリックがオティリエに手を差し出す。オティリエが「ええ」とほほえんだときだった。
「行かせないわよ、オティリエ」
控室の扉が開くとともに、冷たい声音がオティリエを刺す。その途端、全身の毛がぶわりとよだち、身体がカタカタと震えだした。
(この声、まさか……)
恐怖のあまりオティリエは顔を上げることができない。しかし、扉の側にヴァーリックの護衛たちが倒れているのが見える。
「イアマ嬢……一体どうやってここに?」
ヴァーリックが言う。オティリエはゴクリと息を呑んだ。