魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「もちろん、ヴァーリック様にお聞きして存じ上げています。けれど、オティリエさんはこの城のことをなにも知りませんし、多忙なヴァーリック様を支える立場のあなたにも、支えとなる人物が必要かと存じます」
エアニーは表情を変えぬままそう返事をした。
「そう、ですね。けれど……」
たしかに、彼の言うことは理にかなっている。オティリエは本来誰かに世話をされる立場の女性だし、なにも知らない場所でひとりで生活をするのは大変だろう。誰かを支えるためには自分自身の基盤を整えることが肝心だということも理解できるのだが……。
【あたし、やっぱり必要ないのかな】
とそのとき、カランの心の声が聞こえてくる。
【せっかくヴァーリック様に拾っていただいたのに、先輩から担当を外されてしまって、まだほとんど仕事らしい仕事をもらえていない。このままじゃいつか城から追い出されてしまう。……居場所がなくなってしまう。あたしだってヴァーリック様のお役に立ちたいのに】
(この子は……ヴァーリック様がどこかから連れてきたのかしら?)
詳しい事情はわからないものの、どうやらカランはオティリエと似たような経歴の持ち主らしい。オティリエは思わず親近感を抱いてしまった。
エアニーは表情を変えぬままそう返事をした。
「そう、ですね。けれど……」
たしかに、彼の言うことは理にかなっている。オティリエは本来誰かに世話をされる立場の女性だし、なにも知らない場所でひとりで生活をするのは大変だろう。誰かを支えるためには自分自身の基盤を整えることが肝心だということも理解できるのだが……。
【あたし、やっぱり必要ないのかな】
とそのとき、カランの心の声が聞こえてくる。
【せっかくヴァーリック様に拾っていただいたのに、先輩から担当を外されてしまって、まだほとんど仕事らしい仕事をもらえていない。このままじゃいつか城から追い出されてしまう。……居場所がなくなってしまう。あたしだってヴァーリック様のお役に立ちたいのに】
(この子は……ヴァーリック様がどこかから連れてきたのかしら?)
詳しい事情はわからないものの、どうやらカランはオティリエと似たような経歴の持ち主らしい。オティリエは思わず親近感を抱いてしまった。