魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
17.おかえり
オティリエは残りのドレス選びをカランに一任し、ヴァーリックの執務室へと向かっていた。
広い城内をエアニーの先導を受けて突き進む。
彼はオティリエのドレスをチラリと見つつ【なるほど】と心のなかでつぶやいた。
「それはあの、及第点ということでよいのでしょうか?」
仕立て屋には褒めてもらえたし、オティリエ自身も気に入っている。けれど、他人の意見は気になるものだ。特に、ヴァーリックの補佐官であるエアニーの意見は事前に聞いておきたいところ。
「ええ。あなたによく似合っていますし、城内で働くに適しているかと」
「そうですか……! よかった」
やはりドレス選びをカランに任せたのは正解だった。オティリエひとりだったら、店員の意見をそのまま採用していただろう。自分に似合わないドレスに満足していたに違いない。
「それにヴァーリック様好みの服装です」
「……! そう、なんですか?」
その瞬間、オティリエの胸がドキドキと騒ぎ出す。動揺を悟られたくない――オティリエはほんのりとうつむいた。
広い城内をエアニーの先導を受けて突き進む。
彼はオティリエのドレスをチラリと見つつ【なるほど】と心のなかでつぶやいた。
「それはあの、及第点ということでよいのでしょうか?」
仕立て屋には褒めてもらえたし、オティリエ自身も気に入っている。けれど、他人の意見は気になるものだ。特に、ヴァーリックの補佐官であるエアニーの意見は事前に聞いておきたいところ。
「ええ。あなたによく似合っていますし、城内で働くに適しているかと」
「そうですか……! よかった」
やはりドレス選びをカランに任せたのは正解だった。オティリエひとりだったら、店員の意見をそのまま採用していただろう。自分に似合わないドレスに満足していたに違いない。
「それにヴァーリック様好みの服装です」
「……! そう、なんですか?」
その瞬間、オティリエの胸がドキドキと騒ぎ出す。動揺を悟られたくない――オティリエはほんのりとうつむいた。