魅了持ちの姉にすべてを奪われた心読み令嬢は、この度王太子の補佐官に選ばれました!
「ヴァーリック様、入りますよ」
ノックをしたのち、エアニーがそう声をかける。彼は慣れた様子で扉を開けると、いと優雅にお辞儀をした。
「オティリエさんをお連れしました」
「うん、ご苦労さま。オティリエ、早く入っておいで?」
ヴァーリックの声が聞こえてくる。オティリエはゴクリと唾をのむ。意を決してエアニーの後ろからそろりと部屋に入ると、彼女はお辞儀をした。
「ヴァーリック様、……失礼いたします」
緊張しつつ、オティリエがそろりと顔をあげる。
【可愛い】
すると、ヴァーリックの声が――それから他の補佐官の声が混ざって聞こえた。オティリエの頬が紅く染まる。ヴァーリックはそんなオティリエを見つめたあと、満足気に微笑んだ。
「いらっしゃい。……いや、おかえりって言ったほうが正しいね。これからはここがオティリエの帰る場所になるんだから」
「おかえり……」
つぶやきながら、オティリエの胸がじわりと温かくなる。
実家には彼女の居場所なんて存在しなかった。常に忘れ去られた状態で、部屋のなかにこもってばかりいた。夜会から帰ったときだって、誰も彼女のことを出迎えてはくれなかった。『おかえり』だなんて優しい言葉、かけてもらった覚えがない。
ノックをしたのち、エアニーがそう声をかける。彼は慣れた様子で扉を開けると、いと優雅にお辞儀をした。
「オティリエさんをお連れしました」
「うん、ご苦労さま。オティリエ、早く入っておいで?」
ヴァーリックの声が聞こえてくる。オティリエはゴクリと唾をのむ。意を決してエアニーの後ろからそろりと部屋に入ると、彼女はお辞儀をした。
「ヴァーリック様、……失礼いたします」
緊張しつつ、オティリエがそろりと顔をあげる。
【可愛い】
すると、ヴァーリックの声が――それから他の補佐官の声が混ざって聞こえた。オティリエの頬が紅く染まる。ヴァーリックはそんなオティリエを見つめたあと、満足気に微笑んだ。
「いらっしゃい。……いや、おかえりって言ったほうが正しいね。これからはここがオティリエの帰る場所になるんだから」
「おかえり……」
つぶやきながら、オティリエの胸がじわりと温かくなる。
実家には彼女の居場所なんて存在しなかった。常に忘れ去られた状態で、部屋のなかにこもってばかりいた。夜会から帰ったときだって、誰も彼女のことを出迎えてはくれなかった。『おかえり』だなんて優しい言葉、かけてもらった覚えがない。