私の告白リベンジ!

1.プロローグ

桜の蕾が綻び始めた3月半ば。

「蘭(らん)、また連絡するから!春休みも遊ぶぞ〜!」

「うん!和歌(わか)ちゃん、またね〜」

ニコニコと満面の笑みで、友達の村田和歌(わか)ちゃんに別れを告げた私の名前は、咲倉蘭(らん)。15歳の中学3年生。

本日、天候にも恵まれたうららかな春日和に、私は無事、中学校の卒業式を迎えた。

「あ~ぁ…。中学生活もこれで終わりか…。この制服着るのも今日が最後ね…」

思わずポツリと、もれた私の言葉は周りの楽しそうな話し声にかき消されていく。

着慣れたグレーのジャケットにネイビーのスカート。
そして、胸の青いリボンもなんだか愛おしくて、思わず目を細めた。

そういえば3年前。
中学1年生の時は、この制服着るのすっごく楽しみにしてたっけ?

初々しかった今より7センチくらい身長が小さかった自分。
今は背中くらいまである髪をポニーテールにしているが、あの頃は、まだボブくらいの長さだった。

クスッと当時のことを思い出して、笑みを浮かべた私。

高校の制服も楽しみだな。

私が通う予定の高校の制服はセーラー服。
赤のリボンが清楚で可愛らしいと地元でも評判な高校だ。

ちなみに、先ほど別れた仲良しの和歌ちゃんも同じ高校だから、今のところ不安よりも楽しみのほうが勝っているのが本音。

さ、私もそろそろ帰ろっと。
お母さんたちも待ってるだろうし。

ルンルン気分で中学校の正門を出た私。

最後にくるりときびすを返すと。

バイバイ。私の中学時代…。

心の中でそう呟き、私は中学校へ背を向ける。

楽しかった思い出を振り返りながら、私は家へと帰る道をゆっくり歩き出したのだったーー。
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