私の告白リベンジ!

10.柊斗からの告白

柊斗と約束をした空き教室で、私は窓際に置かれている席につき、視線を外へ向ける。

柊斗遅いなぁ…。

チラリと手に持っていたスマホを見ると、時刻は16時半を少し過ぎたところ。

体育祭が16時前に終わったからかれこれ40分くらいは1人空き教室で彼を待っていた。

体育祭実行委員の片付けそんなに多いのかな?

それとも…。

『嘉瀬くんと葉月ちゃん…!本当にお似合いだったよ〜。私、応援しちゃう…!』

そんな言葉を思い出し、ズキンと胸に鈍い痛みがはしった。

…葉月ちゃんと何かあった?

静かな教室に1人でいると、嫌な方向へと考えが進んでいき私はため息をつく。

気分転換に手でも洗いに行こうかな。
さっき、飲んでたスポーツドリンクこぼしちゃって、ちょっと手がベタベタしてるし。

そう思った私がカタンと席を立ち、空き教室から1番近い手洗い場に向っている途中。

「ちょっと待ってよ…!嘉瀬くん!」

「…ハァ。まだ何かあんの?オレ、忙しいんだよ。いい加減ついてくんのやめてくれる?」

ドキッ。

少し離れた廊下から聞こえてきたのは、怒ったような葉月ちゃんの声と、そんな彼女に冷たく対応する柊斗の声だった。

思わずドキンと心臓がはねる。

2人でいることに少しショックをうけつつも、なんだか言い争いをしているような様子に首をかしげた。
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