私の告白リベンジ!
まるで嵐のような出来事に、頭が追いつかない私はポカンとその一部始終を眺めることしかできなくて。

…でも。

柊斗って、葉月ちゃんの本当の性格わかってたんだ…。

なんだかその事実にホッとしている自分がいることに気づく。

「…ったく、池田って本当に根本変わらねぇよな。オレはもうあんまりゆっくりしてる暇ないつーのに…」

面倒くさそうにポツリと呟いた柊斗。
その足音がこちらに近づいていることに気づき、私はハッとした。

…てか、柊斗、空き教室に向かってるんだよね!?

現在、私は空き教室から直線距離にして約50メートルほど進んだ廊下の途中に立っている。
その先には渡り廊下があり、角を左へ曲がれば渡り廊下。右へ曲がれば手洗い場という造り。

ちなみに柊斗がいるのは渡り廊下側。
空き教室へ向かうために廊下の角を曲がれば、必然的に私とはち合わせしてしまうことになる。

どうしよう。
こっちに来たら私が今のやり取りを聞いてたのバレちゃう。

キョロキョロと、どこか隠れるところがないか探してみるも見通しのいい廊下にそんな都合のいい場所があるはずもなく…。

「…は?咲倉?」

結局は。

「あはは…。えっ〜と、私、手を洗いに行こうとしてて、途中で葉月ちゃんと話してる声が聞こえてね…。出にくくなっちゃって…」

角を曲がってきた柊斗と出くわしてしまった。
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