私の告白リベンジ!
思いがけない兄の登場にさらに頭が混乱する私。

「…蘭、お前大丈夫か…?今日から中学生になるっつーのに。いつまで寝ぼけてんだよ」

「…痛っ!!」

残念なモノでも見るように私を見据えた兄は、バシッとおでこに強めのデコピンをしてくる。

「お兄ちゃんこそ、何言ってんの!?私、今日から高校生だし…」

そこまで言って、私は思わず口をつぐんだ。

だって、兄の顔が私を本気で心配している時の表情をうかべていたから…。

「お前、マジで大丈夫か…?熱でもあるんじゃ…今日、学校休むか?」

「だ、大丈夫だよ!あはは、ちょっとした冗談だって!お兄ちゃん騙されやすいんたから〜」

「…そうか。ったく、焦らすなよな〜。マジかと思ったじゃん。心配して損したわ」

安心したように洗面台に向き直る兄の姿をジッと見つめ、私はいったん頭の中を整理する。

言われみれば、お兄ちゃん、髪の毛染めてない…よね?
それに、身長だってちょっと低いような…。

ジャーっと蛇口を捻り、シャカシャカと、気だるげに歯ブラシをする兄を横目に私は1人そんなことを考えていた。

絶対に今日から、高校1年生のはずなのに、体はどう見ても昔の、中学1年生頃の私だし…。
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