私の告白リベンジ！

驚いたように目を見開く柊斗と、苦笑いを浮かべる私。

そして、一瞬の沈黙のあと。

「…フッ。本当、タイミングいいっていうか。予想の斜め上をいくよな…咲倉って」

クスクスと、おかしそうに笑い出す柊斗に、私はキョトンとした視線を送る。

「いや、こっちの話だから、気にすんな。つか、待たせて悪かったよ。…実は池田のヤツがしつこくてまいてくるの苦労したんだ」

疲れたようにため息をつきつつ、柊斗は私に謝ってくれた。

「そ、そうだったんだ…」

「周りも勘弁してほしいよ。１回荷物取りに教室に顔を出しただけで、『お似合いの2人』だの、『付き合っちゃえば』だの。オレの気持ちは無視かって話だよ」

…なんとなく想像できてしまった。

教室のみんなを自分の味方にしてしまう葉月ちゃんと、その彼女を取り巻くクラスメイトたち。

きっと、葉月ちゃんは柊斗が、彼女と付き合うことを否定できないような雰囲気を作ろうとしていたんだろう。

「だから、『池田と付き合うことはない』って言って教室出てきたんだけどさ。今度はさっきのアレってわけ」

「勘弁してほしいよな」と最後に言葉を付け加えた柊斗に対して私は小さく顔を伏せる。

「嘉瀬くんはすごいね。そんなにハッキリと自分の気持ち言えるんだもん…。私なんか全然…」