私の告白リベンジ!
「まぁ。たしかに、この時期、あんなあからさまなのはなかったかな」

…ん?

考え込むように呟く柊斗の言い方が、微妙に引っかかって、眉をひそめる。

「"あからさまなのは"ってどういう意味?」

「い、いや。別に大した話じゃ…」

「ここまできて、今さらヒミツにしてどうすんの!元の時代に帰るヒントになるかもしれないんだからちゃんと話して」

ジトッとした視線を送ると、そーっと柊斗は視線を泳がせた。

けど、途中で諦めたように。

「…まぁ、若干告られたようなことはあったよ。でも、池田から言われたのは、たしか冬休みちょっと前」

と言葉を紡ぐ。

「ふ〜ん。へぇ?あの時、私には教えてくれなかったんだ〜」

「いや。別に断ったから、わざわざ言う必要ないなって思ってさ」

しどろもどろになる柊斗に。

「…ハァ。わかったよ。でも、不思議だよね。お互い同じタイミングで中学時代に戻ってきちゃうなんて。何か似たようなきっかけでもあったのかな?」

うーん?と机に頬杖をついて頭を悩ます私。

そんな私とは対照的に。

「…オレはわかる気がする。ずっと後悔してたから。蘭に何も言わずに転校してしまったこと」

柊斗はそうポツリと呟いた。

「この時代に戻ってくる前…。オレ、ちょうど蘭のこと思い出してたんだよ。高校に入学するタイミングっていうのもあったけどさ。今だったらもっとうまく伝えられるのに。本当に中学1年の時のオレってガキだったよなって」

「柊斗…」

自嘲的な笑みを浮かべ、気まずそうに頬をかく彼にチクンと胸が痛む。

「そ、そんなの私もだよ…!私だってずーっと後悔してた。本当は、柊斗に伝えたいことがあって。でも、柊斗が私の前からあんなに突然いなくなっちゃうなんて思わなかったから…っ」

ポロッと涙がひと粒瞳からこぼれ落ちた。

今まで我慢してた気持ちが、まるで涙に変わってしまったみたい。

ポロポロととめどなくあふれていく涙を止めることができなかった。
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