私の告白リベンジ!
「…ねぇ、なんで何も言わずに急にいなくなっちゃったの?」

ゴシゴシと手で涙をぬぐう私を、柊斗は優しげな表情で見つめる。

そして。

「本当にゴメン。蘭、擦ったら目腫れるから、泣くなよ」

スッと私の頬に手を伸ばし、自分の指で涙をはらうものだから思わずドキンと胸が高鳴った。

「冬休み前に池田に告られたって言っただろ?その時、さっきみたいに『蘭ちゃんは他に好きな人がいるんだよ。嘉瀬くん、知らないの?』って言われて…。当時のオレはバカだったからアイツの言葉信じたんだ」

「葉月ちゃんが…」

「本当にバカだよな。でも、冬休みに入ってから、今度は親から転校の話聞かされてさ。なんか目の前が真っ暗になったよ」

当時を思い出すように、柊斗はゆっくり話してくれる。
かなりショックな話だったんだろう。

私だって、せっかく仲良くなったのに、急に転校だなんて言われたら柊斗と同じような気分になっちゃうかもしれない。

「そうだったんだ…。なんかね、冬休み明けてからちょっと様子が変だなっては思ってたの。でも、私も気のせいかなとか軽く考えてて…。ちゃんと話を聞けばよかったのに」

「いや、オレがなるべく蘭たちには、バレないようにしてたからさ。まぁ、そういうことも重なって、色々悩んでたんだ。蘭は他に好きな人がいるって思ってたし。オレは転校しちゃうし?気持ち伝えても迷惑かなって…」
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