私の告白リベンジ!
柊斗は…。
よかった、まだ来てないみたい。

チラリと柊斗がいるはずの窓際一番後ろの席を確認してみるも、まだ彼の姿は見えなかった。

そのことに少しだけホッとしつつ、私も指定された自分の席へと足を進める。

「あ…!蘭ちゃん、一番後ろの席なの〜?いいなぁ。私、1番前だったの。もう最悪だよね」

すれ違いざま葉月ちゃんにそんな声をかけられ、「あはは…」と私が曖昧な笑みを浮かべた、その時。

――ガラッ。

教室の前の扉がゆっくりと開いた。

「…え、めっちゃカッコよくない?」

「どこの小学校の人だろうね…」

ヒソヒソと声をひそめて話すクラスメイトの女子達とは、対照的に私の体はどんどん冷えていく。

気怠げに教室の中に入ってきた男子生徒に一気に注目が集まった。

けど、そんな彼は女子の視線なんて、全く気にした様子もなく黒板前に貼られた座席表を確認している。

「お〜!柊斗。はよっ!オレたち同じクラスだぜ」

「おー…」

「なんで、そんなにテンション低そうなの!?オレ、ショックなんだけど…」

テンション高く柊斗に絡んでいる同じクラスの男子生徒の声を背に、私は足早に自分の席へと腰をおろした。

開いている窓から、グランドに咲いている遅咲きの桜がきれいに見える。4月のあたたかな気候がとても心地良いのに、私は緊張から視線をサッと下に移した。
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