私の告白リベンジ!
柊斗の視線の先をたどると、葉月ちゃんの隣の席に座る岡くんの姿が目に入る。

岡くんのことはよく覚えてる。

なんと言っても、1年生の頃は柊斗とよく一緒にいたから必然的に私もよく話していたし。

柊斗が転校してしまった後、2年、3年とクラスは別れてしまったが廊下ですれ違えば、声をかけてくれていたから。

岡くんは、クリクリした大きな目に、こんがり焼けた小麦色の褐色の肌。そして、短いスポーツ刈りが特徴のいわゆる野球少年。

たしか中学3年生の時は、キャプテンもつとめていたっけ?

しかも、明るい性格でクラスのムードメーカー的な存在だったから、他のクラスメイトに素っ気ない無口な柊斗とはある意味良いコンビだったことを思い出す。

まぁ、柊斗は結構ウザがってたけど…。

そんなことを思い出し、心の中でクスッと笑みをこぼした。

けど、そんな仲の良かった岡くんにさえも、柊斗は、転校のことを最後まで黙っていたみたい。

その話を私が岡くんから聞いたのは、中学2年生になったばかりの頃だった――。

『え…。アイツ、オレにはまだしも咲倉ちゃんにも何も言わずに行っちゃったってことか?本当に…何考えてんだよ…。あのバカ。SNSのアカウントも消えちゃってるし…』

と、大きなため息をもらす岡くんの姿は印象的だったからよく覚えている。
< 31 / 119 >

この作品をシェア

pagetop