私の告白リベンジ!
「…咲倉、どこまで行くんだよ」

「わっ!ご、ごめんなさい…つい」

人気(ひとけ)のないところを探して学校内をさまよっていた私は、いつの間にか柊斗と仲が良かった頃、よく集まっていた空き教室までやってきていた。

つい昔のクセで…。

パッとつかんでいた柊斗の手を離し、私はあははと苦笑いを浮かべる。

「…はぁ。いいけど。つか、お前さ迷いなくこの教室までオレを連れてきたけどなんでこの場所知ってるんだ?お前も今日、初めてこの中学に来たはずだろ?」

いぶかしむような視線を感じ、私は小さく肩を揺らした。

ヤバい…。今、私、確実に怪しまれてるよね?

なにか言い訳しないと…!

そう思って私がひねり出した答えは…。

「あ、えっと〜…!実は私のお兄ちゃんがこの中学の出身なの。今は高校生なんだけどね。その時にお兄ちゃんから1人になりたい時とかはここ使えよって教えてもらって…」

というものだった。

まぁ、兄が同じ中学出身なのは本当だしね。

ニコッと笑顔でそう答えた私の瞳をジッと見つめ、柊斗は「ふーん?そうなんだ?」と小さく声をこぼす。

「うん!そうなの〜…。というか、嘉瀬くん、さっき私に用事があるって言ってたけど…もしかして、私が困ってたから助けてくれた?」

私の質問に、今度はピクッと柊斗が反応をしめした。
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