私の告白リベンジ!
その後―。

帰りの方向が同じいうことで、なんとなく途中まで一緒に帰ることになった私たち。

「……」

「……」

最初は何の話題に出せばいいのかわからなくて、無言の時間が続いていたけれど、しばらくすると。

「へぇ…!咲倉もあのアーティスト好きなのか」

「うん。そうなの!そのアーティストさんが、前にアニメのオープニーング歌ってたでしょ?その原作の漫画が好きでね。アニメも見てたから、それきっかけでハマっちゃたんだ」

「え、マジか!?オレもその漫画、めっちゃ好きなんだよな〜」

と、好きなアーティストや漫画も同じで盛り上がっていた。

なんだか似たようなやり取りを、前にもした記憶があって、不思議な気分になる。

でも。

ふふっ、柊斗とはやっぱり好きなものが似ていて話してると楽しいな〜。

『いや〜、蘭のオススメの漫画めっちゃおもしろいわ。明日、また続き貸してよ』

『でしょ!?柊斗も好きだと思ったんだ!おっけー、明日持ってくるね』

そうだ、たしか前はこんな感じでお互いに、貸し借り始めたんだよね…。

ふいに思い起こされた懐かしい記憶に私がひとり思い出に浸っていると。

「…なぁ、よかったら咲倉のオススメの漫画今度、貸してよ」

「へ!?」

突然、柊斗の口から飛び出した言葉に、すっとんきょうな声をあげてしまった。
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