私の告白リベンジ!
「咲倉、なんだよ。急に大きな声出して…」

「ご、ゴメン。その嘉瀬くんが急に話しかけるからびっくりしてつい…アハハ」

だって、急に私の思い出と同じようなことを言い出すんだもん。驚くなと言うほうが無理な話だ。

「…びっくりさせて悪かったな。てか、オレも今度、オススメ持ってきてやるよ。咲倉が好きそうなのはだいたい把握したし」

そう言って、ニカッと楽しそうに笑う柊斗に。

「…っ」

胸がキュッと切なくなる。

私にとってはもう数年前の柊斗との思い出が、今日、本人と話したことをきっかけに次から次へと、蘇ってきて思わず泣きそうになってしまう。

そっか。私、やっぱり柊斗のこと、3年たった今でも好きだったんだ…。

タイムリープ前、適当な理由をつけて、無理やり自分の気持ちにフタをしていたことに気付かされる。

そして、今、ようやく理解した。

きっと、このタイムリープのきっかけは、私が柊斗に告白できなかったことへの後悔なんじゃないかということに――。

なんとなく自分の中で、今回の出来事に対する落とし所が見つかって胸がスッとしたような気持ちになる。

もちろん、それが本当の正解かなんてわからないけど、せっかく過去に戻ってきたんだもん。
関係が変わるのが怖くて、なにも言えなかったあの時の自分と、今の私は違うから――。

よし、決めた!
私、3年前にできなかった告白を柊斗にして、自分の気持ちにケリをつける。

告白のリベンジね…!

そんな思いを胸に抱き、気づけば、私はギュッと自分の手を握りしめていた。
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