私の告白リベンジ!
「……咲倉、おはよう」

一瞬、柊斗の肩がピクリと揺れた。

しかも、私の名前を呼ぶ前になんだかちょっと変な間があったような…?

若干いつもより、緊張したような声色で柊斗が私の方向を振り返る。

「昨日はお疲れさま。実行委員会どうだった?」

「あぁ…えっと。まぁまぁ面倒くさかったかな…。忙しそうだったし」

曖昧に微笑む柊斗の表情を見て、きっと周りの皆が言っている噂について気にしてるのだろうと、なんとなく察せられた。

私まで噂を気にしてるような素振りを見せたら、柊斗に気を使わせちゃうかもしれないよね。
よし。私はなるべくいつも通り自然な感じで…!

「そっか〜。体育祭終わるまで大変だと思うけど、何かあったら私にも声かけてね?手伝うから」

ニコッと柊斗に向かって笑顔を見せると、彼は私を見て目を見開く。

そして。

「…っ」

何か言おうとしたのか、少し怒ったような表情で口を開いた時。

「あ、嘉瀬くんおはよう。昨日は委員会お疲れ様〜。また一緒に頑張ろうね…!蘭ちゃんも、おはよう」

可愛らしく声をかけてきたのは、葉月ちゃんだ。

1番前の席なのにわざわざ後ろの扉から入ってきたあたり、柊斗に話しかける気満々な感じがして、私は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
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