私の告白リベンジ!
「……おはよ」

葉月ちゃんの登場に、嫌そうに顔をしかめた柊斗だったが、一応、挨拶は返していた。

「葉月ちゃん、おはよう〜」

私もうまく笑えていたかはわからないが、彼女に向かって挨拶をする。

普段の柊斗なら絶対に嫌な相手に挨拶を返すタイプじゃないから、葉月ちゃんのこと嫌っているというわけではないみたい。

もしかして、柊斗も葉月ちゃんのこと気になってたりするのかな?

タイムリープ前、柊斗と恋愛的な話はほとんどしたことがなかったから正直、彼の好きなタイプなんて全然わからない私。

葉月ちゃん、積極的だし可愛いし…。
好きになっちゃう要素しかないもんね。

チクッと針が刺さるような痛みを胸に感じたが、わざと気づかないふりをして私は葉月ちゃんと柊斗を交互に見つめた。

2人とも本当に美男美女でお似合いだな…。

「そうそう。言い忘れてた…!嘉瀬くん、今日の放課後も実行委員会あるから図書室に集合だって。じゃあ、伝えたからね」

最後にクスッと含んだような笑みを浮べた葉月ちゃんは、それだけ言い残し、自分の席へと戻っていく。

「嘉瀬くん、しばらくは放課後、ずっと忙しそうだね…」

学校の行事だし仕方ないとわかっていても、なんだかぽっかりと穴があいてしまったような寂しさを感じ、声が弱々しくなってしまった。

結局、昨日の遊ぶ約束もダメになっちゃったし。
うーん…。体育祭が終わって私から遊びに誘ってみる?

告白のリベンジをすると決めたけど、まずはもっと柊斗と仲良くなってからだと思ってて。

でも、そんな矢先の今回の出来事に、1人頭を抱えていると。

「咲倉、あのさ。学校ある日は今後忙しそうだし、今度休みの日にでもどっか遊びに行かね?」
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