私の告白リベンジ!


「ゴメン、咲倉遅くなって…。待った?」

「ううん。私も今来たところだから…」

いつもの制服と違って、私服姿の柊斗にキュンと胸がときめく。

ど、どうしよう…。和歌ちゃんが「デート」なんて変なこと言うから緊張してきちゃったじゃん。

しかも…。

「待った?」

「ううん、今来たところだよ」

なんて、よく少女マンガのデートシーンで見かけるお決まりのやりとりを自分がしていることに、恥ずかしさが倍増していく。

最初からこんな風で、私本当に大丈夫なの…!?

心の中でぐるぐると駆け巡るそんな気持ちを落ち着けるべく、私は小さく息をついた――。


その週の日曜日。

私と柊斗は、約束通り、水族館へとやって来た。

10時半に水族館の入口前で集合。

昨日、チャットでそんなやりとりをしていたくせに、柊斗と休日に遊びに行くのが楽しみすぎて、30分以上早く着いてしまった時点でやっぱり普段の私とは少し違う。

おかしい。柊斗の私服なんてタイムリープ前だって、見慣れているはずなのに…。

目の前に立つ柊斗は、黒のスキニーパンツにダボッとしたグリーンの半袖シャツを着ている。

特段おしゃれというわけではないのに「好き」というフィルターがかかっているからか、いつもの倍以上キラキラとしている柊斗に私は「ぐっ…」と黙り込んでしまった。
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