私の告白リベンジ!
な、なに。この空気感…。未経験すぎて困る。

どんな顔で柊斗を見ればいいのかわからなくなって、パッと顔を伏せる私の前に。

「ほら、行くぞ」

差し出されたのは柊斗の手。

へ?これは、手をつなげってこと…?

柊斗の考えは読めなかったが、とりあえずおそるおそるその手をとると。

ギュッ。

ぎこち無いながらも、優しく握り返してくれた。

「…ッ」

ドキン、ドキンと心臓が脈打ち、今にも飛び出してしまうんじゃないかと思うくらい早くなる鼓動。

握られた瞬間、柊斗の心地よい手の温度が伝わってきて、さらに私の心臓は早鐘を打った。

これって、本当にデートみたい…だよね?

柊斗もそう思ってくれてるのかな??

私の手を引き、ゆっくりと歩き出した柊斗の斜め後ろから私はこっそり彼の様子を伺ってみる。

いつもと同じひょうひょうとした表情で、特に顔色も変わっていないようにみえた。

でも…。

ほんの少し耳が赤いような気がするのは、私の気の所為…?

それとも――。

ねぇ。柊斗、私…少しはうぬぼれてもいいのかな?

柊斗の手を私もそっと握り返してみる。

そんな私の胸の中は、キュッと甘いような、切ないようななんともいえない感情がわきおこっていた。
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