私の告白リベンジ!
そっか、そうだよね。

今の私たち、周りから見たらそういう風に見えるんだ…。

ソっと視線を上げ、柊斗の綺麗な横顔を見つめた。

たぶん、お姉さんたちのさっきの会話は、柊斗に、聞こえてなかったみたい。

だって、平然とした様子で目の前の水槽を眺めているし。

なんだか私ばっかりドキドキして、悔しいなぁ。

いつも余裕そうな柊斗に気づかれないよう小さくため息をつく私。

うーん…。どうやったら、柊斗を焦らすことができるんだろう??

内心、そんな複雑な思いにさいなまれていると。

――ピンポンパンポーン。

『11時より、館内1階プールにて、イルカショーが始まります。チケットをご購入のお客様は、順番にご案内いたしますので1階プール前までお集まりください。繰り返します――』

イルカショーの開始を知らせる館内アナウンスが流れてきて、私はその瞬間パアッと瞳を輝かせた。

「嘉瀬くん、聞いた!?イルカショーそろそろ始まるって!!1階プールまで急ごう。ふふっ。楽しみ〜」

まぁ、1人でモヤモヤ悩んでもしょうがないし。

今日は水族館楽しまないとだよね…!

最終的に、そういう考えに至った私は、柊斗とつないだ手をグイグイと引っ張る。

そんな私を横目に。

「…はぁ。全然、気にしてねーじゃん」

ポツリと複雑そうな表情で、つぶやく柊斗の声はこの時の私の耳には届いていなかった―。
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