私の告白リベンジ!
「人多いね〜…」

フードコート内は、ちょうどお昼時ということもあり、水族館を訪れているお客さんでごった返していた。

キョロキョロと空いている席を探してはみるものの、どこも満席状態。

これはしばらく座れないかなぁ…。

そう思った私が。

「嘉瀬くん、もう少し時間見てから出なお…」

"出なおそう"と言いかけた時―。

「あれ?蘭ちゃん!?それに……嘉瀬くん?わぁ、すっごい偶然〜」

聞き覚えのある可愛らしい声が聞こえ、思わずピタリと身体が固まってしまう。

「は、づきちゃん…?」

パタパタと私と柊斗に駆け寄ってきた人物を見て、大きく目を見開いた。

そう。そこにいたのはまさかの葉月ちゃんだったから―…。

「…えっと、葉月ちゃんも水族館来てたんだ」

「うん。私は家族と来てるんだけどね。妹がどうしてもリニューアルした水族館行きたいって言うから。それで、2人は……もしかしてデート?」

ニコッといつもの柔らかい笑みを崩さず、私と柊斗を交互に見つめる葉月ちゃん。

「デ、デートとかじゃないよ…!私たちも葉月ちゃんと同じで水リニューアルオープンした水族館に、せっかくだから行きたいねって嘉瀬くんと話しをしてて…」

付き合ってるわけでもないのに、デートって勘違いされたら柊斗を困らせてしまうかもしれない。

そんな考えに至った私は、葉月ちゃんに向かって慌てて首をブンブンと横に振る。

「ふふ。そっかぁ〜。ならよかった」
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