私の告白リベンジ!
え…。今のってどういう意味?
やっぱり葉月ちゃん、柊斗のこと…。

そう思った瞬間、サーッと血の気が引いていくのがわかった。

タイムリープ前、葉月ちゃんが柊斗を好きだなんて全くなかったはずなのに。

この現象って、私が過去を変えてしまったから…?

もともと水族館に一緒に行くなんてイベントも、本当の時代ではなかった出来事。

少しずつ何かが狂ってきている気がして戸惑う私を尻目に、クスッと穏やかに微笑んむ葉月ちゃんは、今度は柊斗に話しかける。

「あ。席空いてないんでしょ?2人がよければ、私たちの所で一緒に食べない?ちょうど2席空いてるの。お母さんたちにも声かけてみるから、よかったら…」

そこまで言って、フードコートの奥にある席を葉月ちゃんが指さした時。

「…悪いけど、咲倉と違ってオレは"デート"だと思ってるから、咲倉とふたりきりがいい。池田、悪いな。気持ちだけ受け取っとく。咲倉行くぞ」

今までことの成り行きを見守って、口を挟まなかった柊斗が唐突にそんなことを言い出した。

「え、ちょっと…嘉瀬くん!?」

そして、驚く私の手首をギュッとつかみ、そのままくるりと踵を返す。

ポカンとした表情で呆気にとられている葉月ちゃんをその場に残し、柊斗に引きずられるようにして歩みを進める私。

「…かせ…っ!」

「……」

声をかけようと口を開くも、その背中はなんだか少し怒っているように見えて、思わずぐっと言葉を呑み込んでしまった。
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