私の告白リベンジ!
そ、そうだ。

和歌ちゃんの言葉に私はハッとした。

彼女の言う通り、友達として柊斗とはそれなりに仲良くなったし、今回ふたりきりで遊びにも出かけた…。

じゃあ、次の段階といえば…!

「な、名前呼び…?」

ゴクリと息を呑み、真剣な表情で和歌ちゃんの質問に答えると、ガクッとうなだれる彼女の姿が目に飛び込んでくる。

え、私…なんか間違ったこと言ったかな…?

オロオロと焦る私をよそに。

「…まぁ、それも大事ではあるけど」

額に手を当てて「うーん」と考え込む和歌ちゃん。

「あのさ、蘭。嘉瀬くんは水族館に遊びに行ったのデートだって言ってくれたわけでしょ?つまり、"デート"まで終わらせてるわけだから次は最終段階…"告白"しかないでしょ…!」

こ、くはく…。

彼女の言葉に私は「うっ…」と口ごもる。

中学の3年間、気にしないようにしつつも、結局柊斗のことを引きずっていた私。

そんな私が次の恋にすんなりいけるはずもなく…。

正直に言うと、1、2回程度は、男子に告白された経験がないわけじゃない。

けど、付き合ったりするまでには至らず、私は高校生になろうとしていた。

つまり、今まで付き合ったりした経験は0。

あれ…?私、もしかして恋愛レベルが中学1年生から成長してない…?

和歌ちゃんの呆れたような、残念な者でも見るような顔を見て、ようやくそう悟る。
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