私の告白リベンジ!
まるで核心を突くような彼女の発言に、ザワッと心が揺さぶられる。

今まで頭の中でごちゃごちゃと、マイナスのことばかり考えて、私は大事なことを忘れてしまっていたみたい。

"絶対に後悔しないよう、柊斗へ気持ちを伝えること"

それがこの時代に戻ってきた私が、1番達成したいことだったはずなのに。

「てか、過去に戻れる機会なんてもう2度とないかもなんだし。それに蘭がもし、傷つくことがあっても私が毎回元気づけてあげるって!」

最後にそう締めくくった和歌ちゃんは、ニコッと晴れやかな表情で笑いかけてくれた。

「…っ、うん。ありがとう」

その優しげな笑顔に思わず胸が熱くなるのを感じる。

「…和歌ちゃん、私…決めたよ。体育祭が終わったら柊斗に告白する。今は実行委員で忙しいと思うし…。だから、それが終わったら絶対告白するから…!」

真っ直ぐに和歌ちゃんの瞳を見つめて、私が力を込めてそう宣言したのと。

「まぁ…!蘭ちゃん、いらっしゃい…!今日のケーキはモンブランよ〜」

と、ウキウキ顔の和歌ちゃんのお母さん、歌子さんが部屋に入ってきたのはほぼ同時で…。

「…ふふっ」

「あはは。お母さんってば、もうタイミングよすぎ〜。今、重要な場面だったんだよ〜」

あまりのタイミングの良さに、思わず顔を見合わせて笑ってしまった。

「え、なになに?どうかしたの?」

笑い合っている私と和歌ちゃんを交互に見つめ、モンブランを持って立ち尽くしている歌子さんは、不思議そうに首をかしげる。

そんな歌子さんの姿に、「「今はナイショ(です)」」とお互い満面の笑みで、そう口に出していたのだった。
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