私の告白リベンジ!
「いやいや、岡くんったらまた変な冗談ばっかり…」

内心、動揺しているのを隠すように、ヘラっと明るく笑う私に対して。

「…柊斗ってさ、無愛想に見えるとこともあるけど、嘘とかつけない真面目な良いヤツでさ。オレはアイツのそういう所が好きで小学校の時から一緒にいるんだ」

クスッと今度は優しく微笑みながら、岡くんは言葉を紡ぐ。

「……」

「だから咲倉ちゃんも、アイツの言葉…。よかったらそのまま受け取ってあげてよ。クールに見えて、嘘つかないぶん、不器用なんだよねぇ。まぁ、バカ正直とも言うけど」

やれやれと、少し呆れたように岡くんは柊斗が向かったテントの方に視線を向けた。

そんな彼の姿からは、柊斗のことを本当に気にかけていることが伝ってきて思わず私も頷いてしまう。

「う、うん…。わかった」

「おっけ!よし、じゃあ、白組優勝目指して頑張ろー!はい!咲倉ちゃんもご一緒に…!」

「お、おぉ〜!」

最後らへんは、彼の変なノリにつきあわされたが、最初に話してくれたことに関しては、私の胸にストンと落ちてくる。

ふふ。岡くんと柊斗ってなんだかんだ言いつつ、お互いのことよく分かってるよね。

と改めて2人の絆の強さを感じていた、その時。

『ただ今から、体育祭を開始いたします。実行委員の指示に従い速やかに整列にご協力をお願いします。また、第1競技、男子50メートル走に参加される選手の皆さんは、グラウンド前方の集合テントにお集まりください』

響き渡ったのはそんなアナウンス。

この声ってもしかして、葉月ちゃん?

聞き取りやすい可愛らしい声がマイクを通してグラウンドにこだまする。
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