私の告白リベンジ!
「ねぇ、今の葉月ちゃんの声じゃない?」

「絶対そうだよ〜。体育祭実行委員って、アナウンスまでやるんだね」

周りのクラスメイトも気づいたようで、「すごーい」としばらく彼女のアナウンスのことで、応援席は盛り上がりを見せていた。

「葉月ちゃんってば、声もかわいい〜。ね、南」

「うんうん。私もそう思う」

後ろの方では、ミアちゃん、南ちゃんが葉月ちゃんをベタ褒めしている姿が目に飛び込んでくる。

しかも心なしか、なぜかチラチラとこちらを見ているような…?

気の所為だと思いたいけど、ミアちゃんたちはどうも柊斗に突き放された一件から、私に接する態度が少しよそよそしくなったような気がしていて…。

前より話す回数も減った気がするし、やっぱりこの前のこと気にしてるのかな?

と、ひそかに感じていた。

「あ!咲倉ちゃん。オレ、男子50 メートル走出場するからそろそろ行かなきゃ。んじゃ、またあとでな〜」

「うん!岡くん。頑張ってね…!」

ヒラッと爽やかに手を振り、集合テントの方に向かう岡くん。

私は、彼に合わせて手を振り返すと、そのまま白組の応援席テントに入り、準備されているパイプ椅子へと腰をおろした。

えっと、私が出るのは午前中は玉入れと、午後からのクラス別ダンス、あとは障害物競走ね。

荷物の中から、体育祭のスケジュール表を確認し、私はようやくひと息つく。

『ただ今より、男子50メートル走がスタートです!』

そんなアナウンスとともに。

「位置について、よーい」

パンッ―!

体育の先生の大きな声と、高らかなピストルの音が響き渡り、男子50メートル走が始まった。
< 88 / 119 >

この作品をシェア

pagetop