私の告白リベンジ!
とりあえず、見つかってよかった。

その心やさしい女子生徒を連れて、ゴールに向かって駆けていく赤組男子の背中を見送っていると。

「次、どんなお題なんだろうね」

「楽しみだね…!」

クラスメイトたちのそんなヒソヒソ声が聞こえてくる。

みんな、借り物競走に注目しだしたようで、応援席の前方に人だかりができ始めていた。

「あ、嘉瀬くんだ…!」

「本当…!その横、岡くんもいるよ〜」

私の1つ前の席に座ってい女子たちの話に私は思わず、ピクッと反応してしまう。

彼女たちの視線の先をたどってみると、たしかにそこには柊斗と岡くんの姿が確認できた。

岡くんも借り物競走出てたんだ…!

というか、あの人いったい1人で何種目でてるんだろう。

午前中、50メートル走をはじめ、100メートル走にも出ていたことを思い出し、私は「あはは…」と思わず苦笑いを浮かべてしまう。

「せっかくだし、2人応援しようよ」

「どうする〜?どっちかが、私たちを連れに来たりしたら〜」

「え、お題にもよるけど〜それちょっとときめくかも…!」

なんて、キャッキャッと楽しそうに盛り上がっている彼女たち。

ふふっ。たしかに私も突然「咲倉、来て」とか誰かに言われたらちょっと、ときめいちゃうかもなぁ。

可愛らしい2人の話に、内心うんうんと共感しているうちに。

――パンッ。

と、ピストルの合図が聞こえ、柊斗と岡くんの組がスタートしていた。
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