私の告白リベンジ!
「…それは」

「それは…?」

「…ッ」

…??

言いづらそうに口ごもり、なぜかふいっと顔を背けた柊斗に私はコテンと首をかしげた。

心なしかいつもより、余裕がなさそうに見える。

そんな彼の様子が珍しくて、私は小さく目を見張った。

「あのさ、咲倉…。体育祭のあと時間ある?ちょっと話したいことがあるんだけどいいかな?」

「え?」

ドキッ。

何か思いつめたような表情で、でも、まっすぐ私から視線をそらさない柊斗に、不覚にも胸が高鳴ってしまう。

どうしたんだろう。なんだか、いつもの柊斗じゃないみたい。

タイムリープ前も、今の時代に来てからも、柊斗のこんな真剣な表情は見たことがなかった。

何を言われるのか正直怖いけど、ここで逃げたら昔の私と変わらない。

柊斗との関係をこわすのが怖くてずっと「友達」というポジションを守ろうとしていた頃の私と…。

「…うん、わかった。私も…嘉瀬くんに話したいことあったから」

そう思った瞬間に、私は反射的にコクっと頷いていた。

柊斗の視線に応えるように、私もまっすぐ、彼の瞳を見つめる。

「…よかった。じゃあ、あの入学式の日に行った空き教室で放課後待ってるから」

「わかった」

ほんの少しホッとした様子の柊斗に私はニコッと微笑みかける。

もう逃げない。

私が、柊斗にちゃんと自分の気持ちを伝えて、前に進むためにも――。
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