このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
結局、わたしはパーティー会場に再び向かうことができなかった。



* * *



気づけば、この部屋へきてから2時間ほどが経過していた。

するとそのとき、ドアがノックされた。


「気分はどうですか?」


そう言って部屋のドアを開けたのは、ネイビーのスーツに着替えた名取くんだった。

さっきのライトグレーのスーツとはまた違う装いだけど、こっちの色も似合っている。


「あ…あの、パーティーは…?」

「さっき終わったところです」


…そっか、もうそんな時間。


「だから、こうして帰ってきました」

「“帰ってきた”…?」


その言葉が妙に引っかかる。


てっきり、招待客の休憩のために設けられたと思っていた部屋――。

しかし、ここは名取くんが取った部屋だった…!


それを聞いて、慌てて支度を整える。
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