このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
自分たちの利益のためなんて、その子がかわいそうすぎる。


聞いているだけで、吐き気がした。



次の日。

この日、3人はディナーを楽しんでくるということで、夜遅くまで帰ってこないと聞かされていた。


やることを終わらせたら、1人の時間をゆっくりと過ごせそうだ。

…といっても朝から体調が悪く、3人が出かけたあと、わたしは部屋で横になっていた。


食欲がわかず、体もほてって熱っぽい。

風邪でも引いたのだろうか。


体温計を取りにリビングへ下りたとき、ちょうどタイマー予約していた炊飯器の蒸気の匂いがやけに鼻についた。

その瞬間、突然の吐き気に襲われる。


わたしは慌ててトイレへ駆け込んだ。


…なんで。

どうして…。


なにかの…感染症?

それとも――。


そのとき、なにかに気づいてはっとした。
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